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2012年01月22日 (日)
◆◆◆ゴミ溜めの国A
 ――ここはゴミの国。
 ありとあらゆるゴミが集まる場所。
 壊れた機械や何かの破片、何かの雑誌や何かの残飯。
 ――そして、壊れた人が集まる吹き溜まり。
 鍵と記号で管理され、指差されて己を見るような場所。
 その中のあるゴミがつぶやく。
 わずか1年で価値観が180度回転した。
 あのまま上手く行ってさえいれば、こんなところに来ることはなかった。
 周囲を鍵で管理されたこんな場所などにくることはなかった。
 ゴミ同士がバカを言い合い喧嘩をするような場所に来ることはなかった。
 ゴミが言うことは相手にされず、ゴミがすることは咎められず、ゴミの安息は自分で守るしかない。
 あるゴミは疑問した。
 ――あの1年さえなかったら。
 世界はどんな風に見えていただろうか……?
 今より素敵だろうか? それともより複雑怪奇な出来損ないだろうか?
 一度思い立つと待てが効かないことを己が性分として知っている。
 だから、手ごろなゴミを探した。
 そして、手ごろなゴミ同士を見つけて組み合わせてある形とした。
 それは合計3つのもの。
 ――まずは2丁のパーシスター(Persister 押し通すもの。銃器全般を表す名称)。
 片方は6連式のリボルバー。もう一方はばら撒き型の機関銃。
 ――そして、1個のキャリッド(Carried 運搬するもの。特に2輪のバイク)だ。
 さぁ、このゴミ溜めから抜け出そう。
 邪魔する奴は蹴散らして、邪魔なものは破壊しよう。
 盛大に騒ぎ立てて、五月蝿く可笑しく、今までのお礼をリボンをつけて旅立とう。
 平和ボケした看守はあっという間にあの世逝き。
 平和ボケした隣人たちもあっという間にあの世逝き。
 今更鳴った警報機も、射撃し連射のコンボを奏でよう。

 あっさりとした幕開け。
 まったりとした夜明け。

「何事もない唯のいつも通り賑やかな一日だった」
 非常に賑やかな人物オノの旅立ちの日だった。
 と、キャリッドこと私ギブソンは後に語ることになるのかもしれない。
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